こんにちは。
Liberta整体院 院長の河内です。
今回は、顎関節症や顎の痛みで悩んでいる人に向けて書いていこうと思います。
「口を開けると痛い」「朝起きると顎がだるい」「噛むと痛みが出て食事が楽しくない」…そんな症状に心当たりはありませんか？
それは、もしかすると**顎関節症（がくかんせつしょう）**かもしれません。
一般的には歯科や口腔外科の分野として知られるこの症状ですが、実は**頚椎（首の骨）や姿勢、筋肉のアンバランス、そして“トリガーポイント”**とも密接に関係しています。
今回は、整体の観点から「顎関節症はなぜ起こるのか」「なぜ改善するのか」を、専門的かつわかりやすくご紹介します。
顎関節症とは何か？整体的に見る“あごの不調”
顎関節症は、医学的には「あごの関節や咀嚼筋（そしゃくきん）に問題が生じることで、痛みや動かしにくさ、音が出る」状態を指します。
ただし私たち整体師の視点から見ると、顎そのものだけを診ても根本改善にはつながらないことが多いのです。
その理由は、顎の動きは単体では存在せず、頭の位置・首の骨の角度・肩の緊張状態・姿勢全体のバランスなどと密接につながっているからです。
なぜ顎が痛むのか？
① 頚椎の可動性と顎関節症の関係
- 頚椎（特に上部頚椎 C1〜C3）の可動性が低下すると、顎関節の運動パターンにも影響します。
- 咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋など、頚部と咀嚼筋は筋膜的・神経的に密接に連動しています。
- 頚椎のアライメントが乱れると、顎関節の開閉軌道が歪むことで、片側だけの関節音や偏位が生じやすくなります。
② 内臓疲労と顎関節症の関係
- 内臓（特に肝臓・胃・腎臓・小腸など）の疲労は、自律神経の乱れを介して顎関節に影響することがあります。
- たとえば、肝機能低下 → 自律神経の交感優位 → 咀嚼筋の緊張 → 顎関節の動作異常、というパターンが考えられます。
- また、内臓由来の体幹筋・横隔膜の緊張が、頸部や顎への負荷を高めることもあります。
③ トリガーポイントの関与
- 咬筋・側頭筋・翼突筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋などに形成されたトリガーポイント（筋膜のしこり）は、顎関節の痛みや開閉障害を引き起こします。
- これらのトリガーポイントは、顎関節の不調だけでなく、耳鳴り・歯痛・頭痛・めまいといった関連痛や症状を出すこともあります。
④ 顔面頭蓋（クラニアル）の関与
- 顔面頭蓋（前頭骨、側頭骨、蝶形骨、上顎骨など）の歪みや可動性低下は、直接顎関節の位置と機能に影響します。
- 例えば、側頭骨の回旋異常は関節円板の動きや顎関節の圧力分布を変化させ、開口障害や関節音の原因になることがあります。
- 頭蓋と仙骨を結ぶ「頭蓋仙骨系（クラニオセイクラル）」の緊張は、顎関節にも反映されるとする理論もあります（オステオパシーや頭蓋療法で重視される視点）。
統合的視点が重要
顎関節症を「顎の問題」とだけ捉えるのではなく、
- 頭蓋
- 首（頚椎）
- 筋膜
- 内臓
- 自律神経
といった全身的なシステムの乱れの一部として評価・アプローチすることで、慢性化した症状にも効果的な対応ができることがあります。
顎関節症は“全身”を見てこそ改善する
顎関節症というと、「あごの問題＝歯医者で治すもの」と思われがちですが、実際にはそれだけでは不十分なケースが多くあります。
頚椎のわずかなズレ、筋肉の緊張、姿勢、生活習慣、ストレス…
これらが絡み合いながら顎関節に負担をかけているのです。
整体は、こうした身体全体のバランスの崩れを見つけて整えるアプローチ。
痛みのある箇所だけでなく、その「原因となっている場所」に手を当てることで、根本改善が可能になります。
「病院に行っても変わらなかった」
「薬に頼らず改善したい」
「自分のクセや姿勢を見直したい」
そんな方は、ぜひ一度、整体という選択肢を検討してみてください。
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